若き印象派の画家達と親交を持ち、上流階級出身のギュスターヴ・カイユボットは経済面でも画家達を支援し印象派を支えました。
また、自身も作品を制作、印象派展にも出品を続けました。
作品自体は、遠近法を強く意識した作品となっており、印象派的な作風ではなく写実的な作風となっています。
本作品「オレンジの木々」は、自身の別荘があるイエールに滞在中の様子を描いた作品で画面前面には弟が描かれ、画面中央付近に従妹が描かれています。
作品 オレンジの木々
カイユボットが別荘があるイエール滞在時に別荘付近でくつろぐ家族の様子を描いた作品です。
「オレンジの木々」
(1878年)
カイユボットの他の作品の様な強く遠近法を意識した描写とはなっておらず、画面上下での明暗の対比を意識したような画面構成となっています。
画面前面でこちらに背を向けて読み物をしているのはカイユボットの弟、画面中央付近で花壇を覗き込んでいるのがカイユボットの従妹です。
画面の対角線にて遠近を意識してわかている画面構成です。
二人の背中を利用して三角形を画面上で構成しており、二人は遠近前後の配置となっていますが安定感のある配置となっています。
本作品では、画面上下の明暗の対比の方をメインにしており、カイユボットの他の作品のような遠近を強調した表現とはなっていない作品となっています。
(参考)「パリの通り、雨」(ギュスターヴ・カイユボット)
(1877年)
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