クロード・モネ、ルノワール、エドガー・ドガなど印象派の画家達と同時期に活躍した画家ジャン=フランソワ・ラファエリの作品「サンミッシェル大通り」です。
エドガー・ドガの誘いによりラファエリも印象派展へ出品しますが、ラファエリは写実主義的な画家と認識されていたためモネなどが参加を反対、その後の印象派の分裂につながっています。
本作品「サンミッシェル大通り」はラファエリのキャリア後半の作品で、写実主義的よりは筆跡を利用した画風で印象派的な印象を受ける作品です。
作品 サンミッシュエル大通り
パリ市内、18世紀に建てられたフランスに貢献した偉人達が埋葬されているドーム型の屋根のパンテオンに続く大通りを描いた作品です。
「サンミッシュエル大通り」
(1918年)
画面奥に描かれているのがパンテオンです。
写実主義とされていたラファエリですが、キャリア後半は筆跡を残して画風で印象派的な印象を受ける作品となり、本作品もそのような作品となっています。
道の描写や建物の描写は写実主義とは言えないような描写です。
パンテオンを中心からずらすことで、画面の主役が大通りの人々であることを印象付けています。
また、対角線に左下の人々と右上の建物を対比しており、動と静の対比を画面上で行っています。
ラファエリは当初はパリ郊外の農民や労働者を写実的に描いていましたが、キャリア後半はパリ市内の描いた作品を多く制作、作風も本作品のような印象派的な作風へと変化していったようです。
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