ゴーギャン 四人のブルターニュの女の踊り(雑談をするブルターニュの女達)

絵画

本作品は、ポスト印象派として黒くハッキリした輪郭と単純化した色彩などで作品制作を行ったクロワゾニスムの創始者の一人されるポール・ゴーギャンの作品「四人のブルターニュの女の踊り」です。

当初、ブルターニュ地方の四人の女性が当地の伝統的踊りを踊っている様子が描かれているとして「四人のブルターニュの女の踊り」という作品名とされていましたが、現在は踊っている様子を描いたものではないとの意見が大半で「雑談をするブルターニュの女達」と紹介されることが多くなっています。

ゴーギャン自身は本作品に「ブルターニュ人達」という作品名を付けていたようです。

作品 四人のブルターニュの女の踊り

本作品はゴーギャンがフランス北西部で独自の文化を守っていたブルターニュ地方を初めて訪れ、5か月ほど滞在した際に制作した作品です。

もともとは生活費が安いために訪れたようですが、その地で伝統的文化や人々の生活とともに若い画家達との交流は、ゴーギャンのその後の作風に大きな影響を与えたと言われています。

本作品は、ゴーギャンの作風がクロワゾニスムへと向かう途上の作品とされています。

四人のブルターニュの女の踊り(雑談をするブルターニュの女達)
1886年

1886年
ポール・ゴーギャン
「四人のブルターニュの女の踊り(雑談をするブルターニュの女達)」
ノイエ・ピナコーク蔵(ドイツ ミュンヘン)

作品中央の女性や右の女性の描写が踊っているように見えますが、右の女性は靴の履き心地を直しているだけのようです。

また、鑑賞者側に背を向けている女性3人とこちらに顔を向けている女性の間には背の引く塀が描かれておりやはり、踊っている様子ではなさそうです。

女性達の後ろにはガチョウとそれを放牧している農夫が描かれています。

本作品では、まだ太い線での輪郭の描写や単純化した色彩などのクロワゾニスムの画風がはきいりと表現されていませんが、女性たちの表情や周辺の草木などに物を単純化した表現がみられます。

ブルターニュでの経験とともに日本の浮世絵の影響もうけながら本作品の2年後、「説教の後の幻影(ヤコブと天使の戦い)」を発表しクロワゾニスムの表現方法を確立します。

布教のあとの幻影(ヤコブと天使の戦い)
1888年

1888年
ポール・ゴーギャン
「布教のあとの幻影(ヤコブと天使の戦い)」
スコットランド国立美術館蔵(イギリス エディンバラ)

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