パオロ・ウッチェロ 聖ゲオルギウスと竜

絵画

ルネサンス初期のイタリア フィレンツェの画家で当時最先端の技法であった遠近法を追求した画家で、遠近法を追求しすぎて数学者ともされています。

本作品「聖ゲオルギウスと竜」はキリスト教の聖人の話を集めた「黄金伝説」のなかの話で、聖人のゲオルギウスが人々を苦しめている竜を退治する話しを描いています。

多くの画家が作品にした題材でラファエロレンブラントも作品にしています。

作品 聖ゲオルギウスと竜

パオロ・ウッチェロは、当時のフィレンツェ随一の彫刻家に弟子入りしており、そこで立体的な描写をしようと遠近法に強い興味を持ったのかもしれません。

聖ゲオルギウスと竜
1470年

1470年
パオロ・ウッチェロ
「聖ゲオルギウスと竜」
ナショナル・ギャラリー蔵(イギリス ロンドン)

聖ゲオルギスは、ドラゴンの生贄にされた王女を救い、王女にドラゴンに腰帯を首に結び付けさせ街に連れていかせ、人々にキリスト教に改宗したらドラゴンを殺すと約束し、人々がキリスト教に改宗した後ドラゴンを殺しました。

聖ゲオルギウスの後ろには深い森と森の上に渦巻く雲が描かれています。

渦巻く雲が聖ゲオルギウスの槍と連続性があるように描かれています。渦巻く雲は神を表現しており、神が聖ゲオルギウスを後押し、その力で槍がドラゴンの頭に刺さっているとされているようです。

地面の方形の草むらは、ウッチェロの遠近法への強い拘りと、パターンを繰り返し好んで描くウッチェロの好みから描いていると言われています。

作品中での時間の表現

ウッチェロは作品中で「聖ゲオルギウスと竜」の話の時間の流れを表現しています。

右には聖ゲオルギウスがドラゴンの頭に槍を突き刺しています。

左では王女が帯紐をドラゴンの首に結び付けた状態となっています。

ドラゴンは聖ゲオルギウスに槍を刺される状況から、王女に首を紐を結び付けられ街に連れていかれる状況の両方を描いています。

本作品は、当時ではまだ珍しかったキャンパスに描かれた作品で、キャンパスへの油彩画の初期の作品とされています。

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