ラファエロ・サンティ 魚の聖母

ラファエロ・サンティ

聖母子の画家と呼ばれ多くの聖母子像の作品をのこした盛期ルネサンス期の巨匠ラファエロ・サンティの作品「魚の聖母」です。

魚を手にする若者トビアスが描かれていることから「魚の聖母」と呼ばれるようになったようです。

若者トビアスは大天使ラファエルとともに旅をし、途中で魚を捕まえてその内臓を盲目の父に与え目を直すという物語に登場する人物です。

本作品「魚の聖母」はその物語が記された「トビト記」がカトリック教会の聖典に追加されたことを記念して制作されたと考えられています。

作品 魚の聖母

本作品は「トビト記」がカトリック教会の聖典に追加されたことを記念し、教会からラファエロが注文を受け制作されたと言われてます。

「トビト記」の登場人物のトビアスと大天使ラファエルが聖母子の左に、「トビキ記」をラテン語に翻訳した聖ヒエロニムスが右に描かれています。

魚の聖母
1513‐1514年

1513‐1514年
ラファエロ・サンティ
「魚の聖母」
ブラド美術館蔵(スペイン マドリード)

物語で大天使ラファエルは若者トビアスを導く役割を担いますが、本作品でもトビアスを聖母に引き合わせているような描写がされています。

聖母から、トビアスの持つ魚に視線がおくられています。魚と対比するように聖母の足が描かれ、きれいな正二等辺三角形を構成して、バランスがとられているようです。

右手には「トビト記」をラテン語に翻訳した聖ヒロエ二ムスが、自身がラテン語に翻訳した聖書を読んでいる様子が描かれています。

聖ヒロエニムスが来ているのは枢機卿の服装のようです。

聖ヒロエニムスの足元にはライオンが描かれています。聖ヒロエニムスがライオンの前足に刺さった棘を抜いてあげる物語があり、ライオンは聖ヒロエニムスの象徴となっています。

本作品「魚の聖母」は高さ2mを超える大作となっており、習作も現存しておりスコットランド国立美術館に所蔵されています。

魚の聖母・習作
1512‐1514年

1512‐1514年
ラファエロ・サンティ
「魚の聖母・習作」
スコットランド国立美術館蔵
(スコットランド エディンバラ)

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