エドゥアール・マネ 「ナナ」

絵画

印象派の先駆者として、多くの画家に影響を与えた画家エドゥアール・マネが当時の高級娼婦を描いた作品「ナナ」です。

ナナとは、当時の娼婦がよく使用していた源氏名で、作品のモデルが娼婦であることを示しています。

モデルの女性は、アンリエット・オーゼルという女優でフランス貴族のオランジュ公の愛人でした。

マネは本作品をサロンに出品していますが、娼婦を描いた非道徳な作品であるとして落選しています。

作品 ナナ

作品の中央に描かれている女性は下着のままの状況で描かれ、右に女性の身支度を待つ男性が描かれています。

女性がはいている白いスカートの様なものは、ドレスの下にはくぺティーコートで下着のようなもので、当時の人々にとってはインパクトのある描写だったようです。

ナナ
1877年

1877年
エドゥアール・マネ
「ナナ」
ハンブルク美術館蔵(ドイツ ハンブルク)

当時はジャポニズムが流行、多くの画家の作品に取り入れていましたが、本作品にもマネは日本風の鶴を作品中に描いています。

鶴は、フランスでは俗語で愛人や娼婦を意味し、ジャポニズムとともにマネは意図的に鶴を描いています。

作品の右に描かれている男性は、夜のパーティに行くような服装で女性の身支度を待っており、二人がこれから行く場所を暗示しています。

また、男性はいらだったような様子で足を組みステッキを強く握りしめています。

足組とステッキを握る描写は、性的意味を含んだ表現とも言われています。

女性は、そんな男性の様子を気に留める様子もなく身支度をしているようです。

女性の前の鏡の両端には火の消えたローソクが描かれています。

このローソクの描写は、高級娼婦である女性が雇い主である男性に対する本当の気持ちを表しているとも言われています。

【楽天ランキング1位入賞】単眼鏡 美術館モデル 4×12 アーツモノキュラー メガネ対応 美術鑑賞向き ケース & ネックストラップ付

価格:4,880円
(2023/8/25 20:22時点)
感想(6件)

コメント

タイトルとURLをコピーしました