ジャック=ルイ・ダヴィッド 「ホラティウス兄弟の誓い」

絵画

18世紀後半から19世紀のフランスの激動期に活躍、新古典主義の代表的画家ジャック=ルイ・ダヴィッドの作品「ホラティウス兄弟の誓い」です。

ダヴィッドがはじめてフランス王ルイ16世から注文を受けて制作した作品で、国への忠誠を表現する作品とされています。

フランス革命の5年前に注文、制作された作品ですが、ルイ16世か注文した意図から当時の社会風潮が感じ取れます。

フランス革命に際しては、革命側として政治参加していたダヴィッドはルイ16世の処刑に賛成票を投じています。

作品 ホラティウス兄弟の誓い

本作品は王政ローマ期にローマと敵対していた国が、争いを解決するためにお互いに3人の勇者を出し決闘により決着をつけるという話を題材にした話です。

ローマ側で選ばれたホラティウス家の三兄弟が父にローマ式敬礼をしている場面です。

ホラティウス兄弟の誓い
1784年

1784年
ジャック=ルイ・ダヴィッド
「ホラティウス兄弟の誓い」
ルーヴル美術館蔵(フランス パリ)

右手に描かれている女性は、深く悲しんでいる様子で描かれています。一人は三兄弟の妹で相手国の勇者と婚約が決まっており、一人は相手国の勇者の妹の為、決闘の結果を憂いています。

奥の女性は三兄弟の母親とされています。

女性の服のひだが詳細に描かれ、その曲線は女性の悲しみの深さを表現していると言われています。

一方、男性達の方は、無表情で描かれており、国への忠誠は家族への思いよりも上回ると表現しています。

本作品をフランス王室がダヴィッドへ注文したのはフランス革命勃発の5年前と既に革命の気運が社会に生まれていた時期だと思われます。

フランス王室もその対応としてこのような国への忠誠、王室への忠誠を意図した作品を注文したようです。

また、それまで流行していたロココ調美術に対して、本作品は、新古典主義の作風として男性は剛直で直線的に描かれ、女性は曲線的に描かれています。

背景も直線と曲線を組み合わせたはっきりした描写で描かれています。

ダヴィッドは時代背景から政治色の強い作品を多くのこしており、「マラーの死」や「サン=ベルナール峠を越えるボナパルト」などを制作しています。

また、フランス革命のきっかけともなった「球戯場の誓い」の様子も描いています。

球戯場の誓い
1879年

1789年
ジャック=ルイ・ダヴィッド
「球戯場の誓い」
カルナヴァレ博物館蔵(フランス パリ)

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