ラファエロ・サンティ 「聖母の結婚」

ラファエロ・サンティ

ルネサンス盛期の三大巨匠のうちの一人ラファエロ・サンティのキャリア初期の作品「聖母の結婚」です。

ラファエロが若いころに師事したピエトロ・ペルジーノの同名作品「聖母の結婚」を踏襲しながらも、より洗練された作品となっており、ラファエロの才能や技術を示す作品となっています。

作品の題材は、聖母マリアと聖ヨセフの結婚を描いていますが、背景は、左右対称となっており幾何学的な建物と床のタイルの様な模様により遠近感を強調した背景のなかに人物が描かれています。

作品 聖母の結婚

本作品は、教会の祭壇画として注文されました。

注文はピエトロ・ペルジーノに行われたようですがペルジーノが不在だったため、ラファエロにより制作されたと言われています。

ラファエロは師匠ペルジーノの作品を踏襲して作品を完成させています。

聖母の結婚
1504年

1504年
ラファエロ・サンティ
「聖母の結婚」
ブレラ美術館蔵(イタリア ミラノ)

聖母の結婚」(ピエトロ・ペルジーノ
1501-1504年

1501-1504年
ピエトロ・ペルジーノ
「聖母の結婚」
カン美術館蔵(フランス カーン)

ラファエロは、ペルジーノが人物を横に平面的に配置ているのに対して、奥行きが出るように弧を描くように配置しています。

また、聖母マリアと聖ヨセフや二人の手をとる司祭の様子などがより動きを持たせて描かれているうえ、描写もラファエロらしい柔らかな人物描写をしています。

作品の題材は、天使が大司祭のもとに現れ、「国内の独身の男性達に杖を持たせて神殿に集め、その際に杖に花が咲いた男性とマリアを結婚させよ」とお告げあり、聖ヨセフの杖に花が咲き、二人が結婚することとなった話を題材にしています。

ペルジーノの作品には、花が咲かなかった自分の杖を折る男性が描かれていますが、ラファエロは、その男性を前面に描き、作品により動きを与えています。

背景は、建物の扉を消失点に遠近法にて床の模様が描かれており、赤外線による調査にて線が集められるように線の下書きがされていることが分かっています。

幾何学的建物と左右対称、遠近法により画面前面の人物たちにより動的な印象を与えているようです。

本作品により、ラファエロが早い時期に師匠であるペルジーノを超える技術を持っていたことが示されていると言われています。

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