ルーベンス 東方三博士の礼拝

絵画

16-17世紀のバロック期の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスの作品「東方三博士の礼拝」です。

東方三博士を題材とした作品は多くの画家に描かれており、ルーベンス自身も複数制作しています。

本作品「東方三博士の礼拝」は、ルーベンス初期の作品ですが、既に名前が売れ始めていたルーベンスにアントワープ市から市庁舎の装飾のために注文された作品です。

当時、スペインとオランダの間で戦争が行われており、その停戦協定の協定式がアントワープ市庁舎で行われることとなり、その際の装飾のための注文でした。

また、本作品は後にルーベンス自身で拡張と加筆され、現在の姿になっています。

作品制作前の習作が残っており、拡張と加筆部分が判明しています。

作品 東方三博士の礼拝

ルーベンス初期の作品で、題材はルーベンスが複数の作品を制作した東方三博士です。

イエス・キリストの誕生を知った東方の賢者三人が贈り物をもってイエス・キリストを訪れるという聖書内の話で、ルーベンス以外にも多くの画家が題材にしています。

東方三博士の礼拝
1609年

1609年
ピーテル・パウル・ルーベンス
「東方三博士の礼拝」
プラド美術館蔵(スペイン マドリード)

本作品は、アントワープ市庁舎の装飾後、アントワープ市からスペインからの大使を経てスペインに贈られます。

本作品の拡張は、ルーベンスがスペインを訪問している時に行われました。

最初の構想時の習作が残っっており、拡張と加筆がされてことが分かります。

「東方三博士の礼拝」の習作

「東方三博士の礼拝(習作)」
フローニンゲン美術館蔵(オランダ フローニンゲン)

ルーベンスは、イタリアを訪れイタリアの画家たちの作品に触れていますが、本作品では、贈り物を運ぶ男性の肉体や暗闇の表現にミケランジェロカラヴァッジョの影響が見られると言われています。

また、イエス・キリストに向かって対角線上に登場人物が描かれているうえ、その対角線に沿って松明の炎が配置されています。

対角線上にイエス・キリストから放たれる光が人々を照らしている描写をして、イエス・キリストの神々しさを表現しているようです。

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