レンブラント ユダヤの花嫁

レンブラント・ファン・レイン

17世紀 オランダ黄金期の巨匠レンブラント・ファン・レインの最晩年の作品「ユダヤの花嫁」です。

作品名が「ユダヤの花嫁」とされていますが、現在、モデルがユダヤ人の花嫁であることに対しては否定的な見解が主流のようです。

作品名は、ある個人の美術収集家が付けたようで、それが一般的に使われるようになったと言われています。

本作品はレンブラントの他の作品にもあるような静謐なイメージのなかに不思議なイメージも受ける作品となっています。

作品 ユダヤの花嫁

レンブラントの最晩年の作品ですが、作品の注文主や目的などの記録が残っていないためモデルや作品内容などは推測の域を出ないため、不思議な印象が際立った作品です。

1665‐1669年
レンブラント・ファン・レイン
「ユダヤの花嫁」
アムステルダム国立美術館蔵(オランダ アムステルダム)

作品中央に男女が描かれ、男性は右手を女性の胸に、左手を方に添えています。女性は男性の右手に自身の左手を添えており、二人の関係は親密そうです。

親密そうな二人ですが、それぞれ違う方向に視線が向けられており、強い愛情を描写するようなお互いが見つめ合う描写ではなく、より作品に落ち着きをもたしているように思われます。

作品がユダヤの花嫁の描写というのは現在、ほぼ否定されています。モデルも定かではないですか、レンブラントの息子とその妻をモデルにしたとの説もあります。

本作品もレンブラントの晩年の作品の特徴である、細部の描写は重要視せず、曖昧さや未完成部分をのこし鑑賞者へ作品の印象を委ねるような作品となっています。

手の爪の描写もされておらず、鑑賞者の視線が誘導されることがないようにしているようです。

背景の室内の様子も、あまり描写されておらず、女性の背後に鉢のようなものがありますが、壁のもようなのかわからない程度の描写です。

男女の関係や背景などを鑑賞者へ想像させる作品となっている作品です。

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