ポール・ゴーギャン 「アルル、ブドウの収穫(人間の悲劇)

絵画

作品に二次元性と人間の内面を投影しようとした総合主義(クロワニズム)の創設、確立した一人、ポール・ゴーギャンの作品「アルル、ブドウの収穫(人間の悲劇)」です。

ゴーギャンは、フィンセント・ファン・ゴッホの誘いを受けて南仏のアルルでの共同生活を行いますが、その際に描いた作品です。

ゴッホ自身もアルルでのブドウの収穫の様子を作品にしていますが、二人の作品は別の様相となっています。

作品 アルル、ブドウの収穫(人間の悲劇)

ゴッホとの共同生活の為に訪れた南仏アルルで制作された作品です。

アルル、ブドウの収穫(人間の悲劇)
(1888年)

1888年
ポール・ゴーギャン
「アルル、ブドウの収穫(人間の悲劇)」
オルドルップガード・コレクション

アルルでのブドウの収穫を描いたとされていますが、画面後方で収穫している女性の服装はゴーギャンがアルルに来る前に滞在、作品の制作をしていたブルターニュ地方の民族衣装を着ています。

ゴッホの熱心な誘いと、ゴッホの弟で画商のテオからの依頼もあり訪れたアルルですので、ゴーギャンにとってブルターニュへの思いの方が強かったのかもしれません。

ブルターニュの4人の女性
1886年

1886年
ポール・ゴーギャン
「ブルターニュの4人の女性」
ノイエ・ピナコテーク(ドイツ ミュンヘン)

本作品の主役は画面前面の頬をついて座っている女性です。

この女性は、当時、パリ民族博物館に展示されていたミイラから着想得て描いています。

この女性は、ゴーギャンの代表作で大作「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」にも登場しています。

我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか
1897‐1898年

1897‐1898年
ポール・ゴーギャン
我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
ボストン美術館蔵(アメリカ ボストン)

ブドウを収穫している前で憂鬱そうに座る女性は、自然の恵みに対して人間の負の面を対比していると考えられており、女性が憂鬱そうに視線を向けているのは人間の負の面と言われています。

また、その女性の後ろの黒い服の女性は、死の象徴として描かれており”死がある人間”と”繰り返し実り収穫できるブドウ(自然の豊かさ)”を強く対比していると思われます。

ゴッホとの共同生活をアルルでしているときの作品で、ブドウの収穫を題材に描いていますが、ゴッホも同様にブドウの収穫の様子を描いています。

赤い葡萄畑」(フィンセント・ファン・ゴッホ
1888年

1888年
フィンセント・ファン・ゴッホ
「赤い葡萄畑」
プーシキン美術館蔵(ロシア モスクワ)

ゴッホは、南仏の夕日、収穫に励む人々を、ゴーギャンは、自然と人間の対比とそれぞれ違う主題となっています。

Bitly

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