ポール・ゴーギャン 「タヒチの女(浜辺にて)」

絵画

南仏アルルでのフィンセント・ファン・ゴッホとの共同生活が2ヵ月でうまくいかなくなったポール・ゴーギャンは、ヨーロッパ文明からはなれた南国タヒチへ旅立ちます。

ゴーギャンはタヒチはヨーロッパ文明の慣習や金銭の争いなどからはかけ離れた原始的な生活ができる楽園だと信じていたようです。

そのころのタヒチはちょうど王様が死にフランスの完全な植民地へとなっており、タヒチの古い風習や伝統がヨーロッパ文化によって破壊されていく時期でした。

本作品「タヒチの女(浜辺にて)」はゴーギャンがタヒチを訪れた初期に描かれた作品です。

作品 「タヒチの女(浜辺にて)」

本作品はゴーギャンがタヒチを訪れた1891年の夏ごろに描かれた作品で、2人の人物を画面一杯に描いたうえ、背景は非常に簡略化して描かれています。

タヒチの女(浜辺にて)
1891年

1891年
ポール・ゴーギャン
「タヒチの女(浜辺にて)」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)

左の女性はタヒチのパレオを着て、手足は大きく描かれ比較的がっちりとした体格で描かれています。

顔は目を閉じていますが比較的落ち着いた、静かに波の音でも聞いているような印象です。

一方、右側に描かれた女性は、洋服を着て何か作業をしています。顔の表情はなにか謎めいた、懐疑的な視線を向けています。左側の女性と対象的に描かれている印象です。

ゴーギャンはタヒチに原始的な楽園を求めて訪れましたが、すでにヨーロッパ文化が入りつつあり、ゴーギャンが思っていたほどタヒチはすでに原始的ではなかったのかもしれません。

本作品でゴーギャンは遠近法などは無視して背景を簡略化して描き、女性二人の印象をより強めています。

ゴーギャンは1891年6月から1893年の夏ごろまでタヒチに滞在し、一度、病気のためフランスへ帰国していますが、2年後の1895年にはタヒチに戻り1901年まで滞在し制作活動をしています。

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