ヤン・ステーン 「牡蠣を食べる少女」

絵画

17世紀のバロック期のオランダの画家で当時の人々の様子の描写を通じて教訓的な諺や寓話を表現した作品が有名なヤン・ステーンの作品「牡蠣を食べる少女」です。

牡蠣を差し出す少女」と呼ばれる時もあります。

本作品「牡蠣を食べる少女」はヤン・ステーンの現存する作品で最小のもので高さ20.5cm 幅14.5cmしかありません。

作品の大きさに対して、描写はとても精密にされており、また作品中の人物や物の配置などが考えらた作品となっています。

作品 牡蠣を食べる少女

作品で鑑賞者が一番に視線を送るのが、鑑賞者に視線を送る少女です。

牡蠣を食べる少女
1658-1660年

1658-1660年
ヤン・ステーン
「牡蠣を食べる少女」
マウリッツハイス美術館蔵(オランダ デン・ハーグ)

作品内の少女を囲むように直線が配置されています。扉やテーブルを利用した直線で作品中で少女の周りに境界線がつくられているようです。

少女の姿勢は意識的に上部の円形の枠に合わせているようです。

また、少女の表情のほか、上着の素材やファーの描写も非常に緻密に描かれています。

テーブル上の物も緻密に描かれており、ぼんやりと描かれている隣の部屋との遠近感を強調しているように感じます。

当時、牡蠣は精力剤としての効力があると考えられており、また塩も性的な効果があるとされており、本作では性的な象徴として描かれていると言えます。

本作品は、牡蠣とともに少女は鑑賞者へ自身も性的な対象として認識させているという意味が込められています。

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