ムリーリョ 「ロザリオの聖母」

絵画

17世紀 バロック全盛のスペイン黄金期の代表的画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョの作品「ロザリオの聖母」です。

ロザリオは聖母マリアへの祈りを繰り返し唱える際に使用する数珠状の用具です。

引用:Wikipedia

ムリーリョは、ロザリオを聖母子の間に描き、ロザリオの祈りを行う鑑賞者用に描かれたと思われます。

また、バロックの最も特徴となる明暗対比を強く意識した作品となっています。

作品 ロザリオの聖母

本作品は、ロザリオの祈りを行く鑑賞者の為に描かれた作品と考えられ、祈りの対象として聖母子が黒闇の中に描かれています。

ロザリオの聖母
1650‐1655年頃

1650‐1655年頃
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
「ロザリオの聖母」
プラド美術館蔵(スペイン マドリード)

鑑賞者が祈りに際して持っているロザリオが聖母マリアと幼児イエス・キリストの間に描かれています。

祈りの対象となっている聖母子は鑑賞者が行っているであろうロザリオを握っていません。

また、ロザリオの祈りの対象が聖母であることから画面上の中心線上に聖母マリアが描かれています。

また、聖母マリアが幼児イエス・キリストを抱える腕で画面上の対角線を示し、聖母子の目の高さ、台座の高さが平行に描かれており、画面上の聖母子に強い安定感を与えています。

また、聖母子は暗闇の中で強い光を浴びて、強く明暗対比の中で神秘性を増しています。また、強く鑑賞者を見る視線は、鑑賞者の祈りに応えている描写とも考えられます。

祈りの対象として描かれた本作品では、聖母子は鑑賞者から一段高い台座に座っているように描かれており、鑑賞者側と明確に隔たれている事が分かります。

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