バロックの巨匠カラヴァッジョが庇護者のローマ・カトリック教会のフランチェスコ・マリア・デル・モンテ枢機卿から提案を受けて制作した作品です。
カラヴァッジョの特徴である強い明暗対比とともに聖人を当時の有名な売春婦をモデルとして描いたことで問題ともなりました。
作品:アレクサンドリアの聖カタリナ
エジプトのアレクサンドリア出身で、ローマ皇帝にキリスト教徒迫害をやめるよう説き、皇帝が用意した多くの学者を論破しつつも、処刑された聖カタリナを描いた作品です。
「アレクサンドリアの聖カタリナ」
(1598年)
ローマ皇帝は、聖カタリナを車輪に縛り付けて拷問することを命じますが、雷が落ちて破壊されます。
また、作品には剣や鞭が描かれていますが、いずれも拷問道具として描かれています。
いずれの道具も訳が立たず、最終的に聖カタリナは斬首されています。
聖カタリナを題材にした作品では、他にラファエロの作品がありますが、全く違うイメージを受けます。
「アレクサンドリアの聖カタリナ」
(1507年)
同じ女性をモデルに描いた作品
カラヴァッジョは、ローマで有名だった売春婦フィリーデ・メランドローニをモデルに「アレクサンドリアの聖カタリナ」を制作しましたが、他に2点が現存しています。
「マルタとマグダラのマリア」
(1598年)
「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」
(1598-1599年)
カラヴァッジョはこの女性に恋をしていて、その後の殺人の原因ともなったとの説もあります。
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