印象派の巨匠クロード・モネが描いたフランス最初のターミナル駅「サン=ラザール駅」です。
モネは水面の光の揺らめきや光の移り変わりなどを描くことに情熱を向けてた画家で、自然の様子を描いた作品が多いですが、本作品は当時の近代化の象徴である汽車や駅舎を描いています。
本作品は、「サン=ラザール駅」として12作の連作のうちの1作で、第三回印象派展へ出品されています。
モネは、駅構内や周辺を描くため公式な許可を得て描いており、汽車の正面からの構内の様子が描かれています。
作品 サン=ラザール駅
モネが当時の近代化の象徴である汽車や駅舎を描いた12作の連作のうちの1作です。
モネはサン=ラザール駅や汽車を描くため公式な許可を得るとともに、駅周辺に部屋も借りて12作の連作を制作しています。
「サン=ラザール駅」
(1877年)

クロード・モネ
「サン=ラザール駅」
オルセー美術館蔵(フランス パリ)
当時の他の画家も近代化の象徴である汽車や駅舎を描いていますが、モネ自身は汽車自体よりも汽車からの蒸気とその蒸気の光の反射に興味があったように思えます。
汽車自体は詳細に描かれず蒸気に覆われているように見えます。

汽車と同様、近代化の象徴でもある駅舎内の直線と蒸気の曲線的な描写が対比されているようです。

サン=ラザール駅の天井はガラスで出来ており、光が入り込むようになっており、光を反射した蒸気がいろいろな情景を見せていたと想像できます。

駅の奥には、蒸気のためにうっすらとしか見えない建物が描かれており、より駅舎内の空間の描写を際立たせています。



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