盛期ルネサンス期にイタリア パルマで活躍した画家コレッジョの作品です。
コレッジョの作品はレオナルド・ダ・ヴィンチの影響を強く受けたものが多いですが、この作品はとくに影響が見られる作品となっています。
コレッジョは、当時のローマやフィレンツェといった芸術の中心地以外で活躍、その後の絵画にも影響を与えた珍しい存在です。
作品 聖母子と幼児聖ヨハネ
聖母子と幼児聖ヨハネは、コレッジョのキャリア初期の作品ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの影響が色濃く表れています。
「聖母子と幼児聖ヨハネ」
(1515-1517年)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/madonna-and-child-with-the-young-saint-john-15162.jpg)
アントニオ・アッレグリ・ダ・コレッジョ
「聖母子と幼児聖ヨハネ」
プラド美術館蔵(スペイン マドリード)
聖母がイエス・キリストに幼児の聖ヨハネを紹介している様子が描かれています。手を広げている幼児がイエス・キリストです。
聖ヨハネは十字架を抱えています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/madonna-and-child-with-the-young-saint-john-15162_3.jpg)
洞窟内に聖母子と聖ヨハネを描く構図はレオナルド・ダ・ヴィンチの「岩窟の聖母」がら着想を得ているとされています。
「岩窟の聖母」
(1483-1486年)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/280px-Leonardo_Da_Vinci_-_Vergine_delle_Rocce_Louvre.jpg)
レオナルド・ダ・ヴィンチ
「岩窟の聖母」
ルーヴル美術館蔵(フランス パリ)
下に視線んを向ける聖母の表情も「岩窟の聖母」からの影響が見られいます。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/madonna-and-child-with-the-young-saint-john-15162_1.jpg)
また、人物の配置を三角形に収める手法や輪郭をごまかすスフマートなどもレオナルド・ダ・ヴィンチの影響を受けています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/madonna-and-child-with-the-young-saint-john-15162_2.jpg)
本作品の翌年、コレッジョはローマへ訪れレオナルド・ダ・ヴィンチの他、ラファエロやミケランジェロの表現方法も学び、自身の作品に積極的に取り込んでいきます。
![](https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=3ZB81O+5X57CI+54O2+62U35)
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