ジョルジュ・スーラ 「シャユ踊り」

ジョルジュ・スーラ

印象派の筆触分割の画法から更に発展させた点描描写を確立、新印象派と呼ばれたジョルジュ・スーラの作品「シャユ踊り」です。

”シャユ”とは”騒がしい””大騒ぎ”と言った意味です。

本作品は、当時、パリ モンマルトル周辺ではムーラン・ルージュのようなキャバレーが流行っており、そこではフレンチカンカンのショーが催されていました。

スーラは点描描写でフレンチカンカンを踊る女性や男性、楽団、見物人などをどこか戯画的な描写で描いています。

本作品は171.5cm x 140.5 cm と大きなキャンパスに描かれた作品となっています。

作品 シャユ踊り

点描描写を確立したジョルジュ・スーラの作品ですが、どこか戯画的な描写となっています。

シャユ踊り
1890年

1890年
ジョルジュ・スーラ
「シャユ踊り」
クレラー・ミュラー美術館蔵(オランダ オッテルロー)

画面は暖色を中心に配色されていますが、ところどころにガス灯を配置し画面のアクセントとしているようです。

また、ガス灯の淡い明かりの表現は、点描によるスーラが描こうとしていた明かりの表現を実現したもののように思えます。

画面に描かれるフレンチカンカンを踊る女性の足、靴のリボンや表情、男性の髭など上え向いた様子で描かれ、その場の高揚感を表現しているようです。

高く上げた足とコントラバスのネックの斜めの線が統一されてより、高揚感を強調している印象です。

画面前面には、楽団と見物人が描かれていますが、高揚感あふれる画面に後ろ姿で描かれているコントラバス奏者が異質に見えます。

一人だけ、落ち着いて冷めた様子に見えます。

キャバレーで、流行りのフレンチカンカンを見たスーラ本人を投影しているのかもしれません。

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