主にパリやロンドンで活躍したアメリカ人画家ジョン・シンガー・サージェントの作品「エル・ハレオ」です。
エル・ハレオとは、フラメンコでの掛け声のことで、本作品はサージェントがスペインを訪れた際に着想をえて制作された作品です。
作品の主役の踊り子は別の作品「スペインの踊り子」で描かれている踊り子が描かれています。
作品 エル・ハレオ
本作品「エル・ハレオ」で、サージェントは激しく踊るフラメンコの踊り子に下から光が当たり、暗い背景のなかでより鑑賞者に踊り子の印象を与えるような描写をしています。
本作品の踊り子は、別の作品「スペインの踊り子」で描かれた踊り子を描いています。
「スペインの踊り子」
(1879‐1882年)
本作品「エル・ハレオ」では、踊り子の体は対角線と直角を示すように描かれており、また、体を境に明暗の対比がされています。
また、後ろの人物の頭のラインも十字の中心に合わせて描かれているようです。
明暗の描写として画面左上に光に照らされた大きな空間を描き、右側に赤い布を着た女性をアクセントに描き、バランスをとっているように思えます。
また十字の上下は暗く描かれており、画面の左右の対象をより強調しているように見えます。
本作品「エル・ハレオ」の画面構成は非常に考えられた構成となっており、「スペインの踊り子」で感じる躍動感よりは、作品としての安定感を感じる作品となっています。
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