本作品「田園の奏楽」は、ルネサンス期にイタリア ヴェネチアで活躍したヴェネチア派のジョルジョーネが制作、ジョルジョーネが亡くなった後にティツィアーノが仕上げた作品と考えれらています。
ティツィアーノのキャリア初期に制作途中に亡くなったジョルジョーネに代わって、本作品を完成させたようです。
また、18世紀に印象派の先駆者となるエドゥアール・マネが制作した「草上の昼食」は本作品「田園の奏楽」から着想を得たとされています。
作品 田園の奏楽
本作品「田園の奏楽」では、衣服を着た男性2人とほぼ裸の女性2人が描かれています。
「田園の奏楽」
(1509年頃)
男性2人のうち1人は貴族風の豪華な衣服、もう1人は質素な衣服で靴も履いていないように見えます。
画面奥には羊飼いの様子が描かれており、質素な衣服の男性は羊飼いとも考えられます。
ほぼ裸の女性2人は妖精で、音楽を聞かせる貴族風の男性とそれを聞いている質素な服の男性の心のなかの想像・気持ちを表していると思われます。
笛を持っている女性は、貴族風の男性、水差しを手にしている女性は質素な服の男性の心を表し、水差しの女性は音楽には興味なく、悲し気な印象を受けます。
本作品の自然の中に服を着た男性2人と裸に近い女性2人の描写に着想を得て、エドゥアール・マネは「草上の昼食」を制作しました。
「草上の昼食」(エドゥアール・マネ)
(1862-1863年)
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