ティツィアーノ 「ペーザロ家の祭壇画」

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ

イタリア盛期ルネサンス期のヴェネチア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオの初期の作品で、「聖会話とペーザロ家の寄進者たち」とも呼ばれています。

本作品「ペーザロ家の祭壇画」の制作にティツィアーノは7年の歳月を費やし完成させています。

当時、聖母子と聖人を描く場合、聖母子を画面の中心にえがく様式が一般的でしたが、ティツィアーノは聖母子を画面の右にずらし、聖人を対角線上に描くという新しい表現方法で本作品を制作しました。

対角線上に聖母子、聖人を描くことで作品に動きができるとともに、聖母子と聖人はそれぞれ三角形の頂点に配置されており、作品内に安定感を持たせています。

作品 ペーザロ家の祭壇画

本作品は、ヤコペ・ペーザロというキプロス島のパフォスという都市の司教で、同時にローマ教皇領の海軍の司令官を務めていた人物により制作を依頼されてものです。

ペーザロ家の祭壇画
1519-1526年

1519-1526年
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
「ペーザロ家の祭壇画」
サンタ・マリア・グロリオーザ・デイ・フラーリ聖堂
(イタリア ヴェネツィア)

ティツィアーノは主要人物を対角線上に配置して描いています。

聖母子を対角線上の頂点に配置、次に聖ペトロを配置、一番下に依頼者のヤコペ・ペーザロを配置してます。

また、聖母子と聖ペトロは登場人物たちを三角形とした頂点とされています。

本作品「ペーザロ家の祭壇画」は、それまでの聖母子を画面中心に描く伝統的な表現方法とは違う表現方法としてその後の宗教画に大きな影響を与えました。

作品中の登場人物

本作品には聖母子、聖ペトロ、依頼者ヤコペの他にも多くの人物が描かれています。

聖母子と聖フランチェスコ

本作品の聖母のモデルは出産で死去したティツィアーノの妻をモデルとしていると言われます。

聖母は、依頼主のヤコペに視線をむけていますが、幼児イエス・キリストは反対を向いています。

イエス・キリストと顔を合わせている男性は手に聖痕がきざまれていることから聖フランチェスコとされています。

聖ペトロと天国の鍵

階段中央には聖ペトロが描かれ、依頼主ヤコペを聖母子に紹介しているようです。

聖ペトロの足元には天国の鍵が描かれ依頼主ヤコペに向いているように描かれています。

依頼主ヤコペ・ペーザロとペーザロ家

聖母子と聖ペトロを見上げるヤコペの後ろには、戦勝旗を掲げる戦士とトルコ人捕虜が描かれています。

戦勝旗には教皇の紋章とヤコペの紋章が描かれており、旗の先端には勝利の象徴である月桂樹も得枯れています。

ヤコペが司令官と参戦したトルコとのサンタ・マウラの戦いでの勝利を意味しているされています。

作品右下にはペーザロ家の人々が描かれています。

聖フランチェスコがイエス・キリストへペーザロ家を結び付けているように描かれています。

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