ネロが最後に見た絵 十字架昇架と十字架降架

絵画

ベルギーのアントウェルペン(アントワープ)のバロック美術の巨匠ピーテル・パウル・ルーベンスが制作した「十字架昇架と十字架降架」です。

ルーベンスは30代半ばで本作品を制作、バロック美術を代表する作品となっています。

フランダースの犬の主人公ネロがどうしても見たかった絵で、ネロが最後に見ることができた絵です。

十字架昇架(キリスト昇架)

中央パネル、左翼パネル、右翼パネルの3つの部分からなる三連祭壇画です。三面鏡のように見開きができるようになっています。

十字架昇架(キリスト昇架)
(1610-1611年)

1610-1611年
ピーテル・パウル・ルーベンス
十字架昇架(キリスト昇架)
聖母大聖堂(ベルギー アントウェルペン)

中央パネルには、十字架に磔にされるイエス・キリストが描かれています。

左翼パネルには、イエス・キリストが磔にされる様子を悲観にくれて見守る人々が描かれおり、奥には成り行きを見守る聖母マリアと洗礼者ヨハネが描かれています。

右翼パネルには、イエス・キリストを磔にする指示を出す馬にのったローマの司令官が描かれています。

司令官の後ろには、イエス・キリストとともに磔にされる罪人が描かれています。

右翼と左翼を閉じると裏面には聖人がえがかれています。

十字架降架(キリスト降下)

ルーベンスは十字架昇架を作成した後、すぐに十字架降架を制作しています。

1611-1614年
ピーテル・パウル・ルーベンス
「十字架降架(キリスト降架 )」
聖母大聖堂蔵(ベルギー アントウェルペン)

ルーベンスは本作品では、光と影のコントラストを付けることで見る者に強いインパクトを与える絵に仕上げています。

中央パネルには、磔刑によって命をおとしたイエス・キリストの遺体を十字架から降ろす場面が描かれています。

イエス・キリストに手を伸ばす青い服の女性が聖母マリア、イエス・キリストの遺体を受け止めている赤い服を着ている男がヨハネ、キリストの左足を支えているのがマグダラのマリアです。

左翼パネルは、イエス・キリストを身ごもった聖母マリアが洗礼者ヨハネを身ごもった親類のエリザベトを訪問している場面が描かれています。

右翼パネルは、抱神者シメオン(神を抱き上げた聖人)がイエス・キリストを聖母マリアから受け取って抱き上げている場面が描かれています。

こちらは、閉じると左翼パネル裏にイエス・キリストを背負って進む聖人、右翼パネル裏に暗闇のなかランプで道を照らす隠者が描かれています。

聖母被昇天

十字架昇架と十字架降架とも見るためにはお金が必要で、ネロは見ることができませんでした。

「聖母被昇天」は無料だったため、ネロがいつも見ていた絵です。

聖母マリアが天国に昇っていく姿が描かれています。

聖母被昇天
(1625-1626年)

1625-1626年
ピーテル・パウル・ルーベンス
「 聖母被昇天 」
聖母大聖堂蔵(ベルギー アントウェルペン)

赤い服をまとい石の墓を指さしている女性のモデルはルーベンスの妻とされています。

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