フナゴナール/ジェナール 「盗まれた接吻」

絵画

18世紀 優雅で甘美なロココ調美術が流行った時期の画家ジャン・オノレ・フラゴナールとその弟子で義妹のマルグリット・ジェラールの共作と考えられている作品「盗まれた接吻」です。

フナゴナールの晩年の作品で絵画界はロココから新古典主義へ流行りが移る時期で、新古典主義的なドアやカーペットの詳細な描写などはジェラールが描いたものと思われます。

作品 盗まれた接吻

ロココ的な作品の中に新古典主義的な詳細な描写もされており、ロココから新古典主義への移行期の作品とされます。

盗まれた接吻
1787年

1787年
「盗まれた接吻」
ジャン・オノレ・フラゴナール/マルグリット・ジェラール
エルミタージュ美術館蔵(ロシア サンクトペテルブルク)

暗闇の部屋の奥から突然男性に接吻をされる女性は、身を男性に任せつつも隣の部屋にいる人に気づかれないか不安そうです。

題材や男女の描写などはロココ調に描かれていますが、強い明暗対比や家具や女性のドレスの質感などの描写は新古典主義的です。

特にドレスの質感の描写などは、他の作品でもその描写が評価されていた義妹のジェラールによるものと考えられます。

また、女性の体や腕を利用して対角線上に上を暗く、下を明るく描いて明暗対比をバランスよく表現しています。

フランス革命により優雅で甘美なロココ美術は批判されフラゴナールも批判の対象とされてしまいますが、ジェラールは、革命により女性のサロンへの出品が可能となると、当時としては珍しい女性画家として定期的にサロンへ作品を出品しています。

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