とても有名なエドヴァルト・ムンクの「叫び」。
男が叫んでいる絵と思われている方も多いですが、男は両手で耳をふさいでいるところを描いた作品です。
ムンクはこの作品と同じ構図で、4点、異なる手法で制作しています。
また、不安をテーマにした作品をシリーズで制作しており、そのうちの一作となっています。
エドヴァルド・ムンク
「自画像」(エドヴァルド・ムンク)
(1895年)
ムンクはノルウェー出身の画家で、20代でパリに留学、当時、広がりを見せていた印象派の画家たちに影響を受けます。
「ラファイエット街」
(1891年)
印象派に影響を受けている頃の作品
その後、ベルリンを拠点に創作活動を行い、不安をテーマにした作品群「生命のフリーズ」を制作します。
ムンクがノルウェーに戻るのは、40代半ば頃でした。
作品:叫び
当時29歳だったムンクは、友人と橋の上を歩いている時、憂鬱な気分に襲われ、その時に感じたインスピレーションを絵で表現しました。
うねる赤い空、極端な遠近法で描かれた橋、波打つ曲線など見る者の不安をあおる描写がされています。
橋の奥の2人は、その時に一緒に歩いていた友人です。
2人をはなれて描くことで、主役の男の孤独感が引き立てられています。
ほかの「叫び」4パターン
パステル画の「叫び」
(1893年)
リトグラフの「叫び」
(1895年)
パステル画の「叫び」
(1895年)
テンペラ画の「叫び」
(1910年)
ムンクは幼い頃に母親と姉を相次いで結核で亡くしており、病気や死を身近に感じ、その恐怖や不安といった内面を描いたとされています。
「叫び」は1890年代、ムンクが不安をテーマに描いた「生命のフリーズ」という作品群の一作です。
「生命のフリーズ」作品の一部
「不安」
(1894年)
「マドンナ」
(1895年)
「嫉妬」
(1895年)
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