印象派誕生のきっかけとなった2人の画家、モネとルノワールは、よく一緒に外に出掛け二人並んで作品制作しました。
二人は、パリ郊外のセーヌ川沿のリゾート地(ラ・グルヌイエール)に一緒に出かけ、キャンパスを並べて描いた作品が ラ・グルヌイエール です。
ラ・グルヌイエールは、その表現方法や画風から印象派のきっかけとなった作品とされています。
二人の「ラ・グルヌイエール」
クロード・モネの
「ラ・ グルヌイエール 」
(1869年)
ピエール=オーギュスト・ルノワール の
「ラ・グルヌイエールにて」
(1869年)
印象派の特徴となる、色と色を重ねない筆触分割によって描かれた最初期の作品で、これらの作品から印象派が発展していきました。
二人で、同じ構図の風景を描いていますが、二人が描きたい対象物が違うため、それぞれの作品も違う印象を受ける作品となっています。
水面の光の揺らぎを表現することに挑戦していたモネは、人々を景色の一部として描いています。
一方、人物を表現することに関心があったルノワールは、人々に重点をおき服装の違いなどを細かく人々を描いています。
二人は、他にも、上記の作品とは違うバージョンのラ・ グルヌイエール を描いています。
「ラ・グルヌイエールの水浴」 (クロード・モネ)
(1869年)
「ラ・グルヌイエール」 (ルノワール)
(1869年)
二人の描こうとしている対象がモネは「水面」、ルノワールは「人々」と興味の先が違うことが分かります。
モネは、この後も自然の光、水面などを描き続け、睡蓮の連作などを発表し印象派の代表として活躍します。
人々を描く事に関心があったルノワールは、印象派の画家とされながらも印象派とは少し距離をおくようになります。
他の二人が並んで描いた作品
二人は、 ラ・グルヌイエール 以外にも、一緒に出掛けて、並んで作品制作をしています。
モネの
「アルジャントゥイュの鉄橋」
(1873年)
ルノワールの
「アルジャントゥイュの鉄橋」
(1873年)
1872年 モネはパリ郊外のアルジャントゥイユという町に移住しました。
ルノワールは、しばしばモネを訪ねてアルジャントゥイユを訪れていたようで、二人で並んでセーヌ川にかかる鉄橋を描いています。
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