ルノワールが印象派的な画風から古典主義的な画風へと変化する途上期の作品で、背景は印象派的な技法で描かれていますが、人物の輪郭の表現などは古典主義的と見られています。
モデルは後に女優として成功するジャンヌ・ダルロです。幼女の方のモデルは分かっていませんが実際の姉妹ではありません。
「二人の姉妹」という題名はルノワール本人が付けたものですが(テラスにて)は作品購入者が付けたようです。
作品 二人の姉妹(テラスにて)
本作品は「舟遊びをする人々の昼食」を描いたレストラン、メゾン・ファルネーズで描かれています。
「二人の姉妹(テラスにて)」
(1881年)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/Pierre-Auguste_Renoir_-_Two_Sisters_On_the_Terrace_1.jpg)
ピエール=オーギュスト・ルノワール
「二人の姉妹(テラスにて)」
シカゴ美術館蔵(アメリカ シカゴ)
「舟遊びをする人々の昼食」
(1876年)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/800px-Pierre-Auguste_Renoir_-_Luncheon_1.jpg)
ピエール=オーギュスト・ルノワール
「舟遊びをする人々の昼食」
フィリップ・コレクション(アメリカ ワシントンD.C.)
ルノワールはイタリア旅行でラファエロなどルネサンス期の作品を見ることで、古典主義の影響をうけます。
「舟遊びをする人々の昼食」あたりから古典主義的な画風がみられるようになります。
「二人の姉妹(テラスにて)」では、背景にセーヌ川が描かれていますが、その描写は印象派的な描写です。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/Pierre-Auguste_Renoir_-_Two_Sisters_On_the_Terrace_2.jpg)
一方、姉妹の描写は輪郭もしっかりしており、印象派が使わない黒系の色を服の色として使用するなど古典主義的です。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/Pierre-Auguste_Renoir_-_Two_Sisters_On_the_Terrace_3.jpg)
また、本作品は「舟遊びをする人々の昼食」同様にセーヌ川の流れを利用して左下から右上という古典主義の構図にもなっています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/12/Pierre-Auguste_Renoir_-_Two_Sisters_On_the_Terrace_4.jpg)
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