印象派は使わない「黒」を使う。ルノワール

絵画

ルノワールは、印象派の代表的画家として知られています。

しかし、その作風は、徐々に独自のものとなっていき、印象派の特徴は残しつつも作風は変貌していきます。

ルノワールの作風の変貌

印象派は、いかに自然の光を作品で表現するかを試みていたので、自然界には存在しない「黒」を使うう事をさけていました。

黒を使わず、さらに、作品の明度を下げないため、混色も使わずに作品を制作するという印象派に対して、当初のルノワールも同様な技法で作品が描かれていました。

「ボンヌフ」

1872年「ボンヌフ」
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ナショナル・ギャラリー(アメリカ ワシントンD.C.)

明るい色彩での彩色はそのままに、徐々に印象派では取り入れない黒を受け入れ、作品に使用していくようになります。

「二人の姉妹(テラスにて)」

1881年「二人の姉妹(テラスにて)」
ピエール=オーギュスト・ルノワール
シカゴ美術館所蔵(アメリカ シカゴ)

次の作品では、手前の子犬と戯れる女性(後にルノワールの妻となる女性)、奥のシルクハットの男性などに黒を使用しています。

「舟遊びをする人々の昼食」

1876年「舟遊びをする人々の昼食」
ピエール=オーギュスト・ルノワール
フィリップス・コレクション所蔵(アメリカ ワシントンD.C.)

晩年は、光の描写を取り入れ、大胆な筆遣いで豊満な女性を描くことが多くなります。

大胆な筆遣いは、リウマチを患っていたための影響とも言われています。

「パリスの審判」

1913-1914年「パリスの審判」
ピエール=オーギュスト・ルノワール
ひろしま美術館所蔵(日本 広島)

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