ヨハネス・フェルメールの代表作でフェルメール作品では日本で最も有名な作品「真珠の耳飾りの少女」。
暗闇のなかで鑑賞者へ振り向く少女が描かれていますが、実際には背景にカーテンが描かれていたことが判明しています。
また、少女のモデルはフェルメールの娘や妻、まったくの創作などいろいろな説がありますが、判明はしていません。
不思議な少女の表情
「真珠の耳飾りの少女」
(1665-1666年)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/20200112174305.jpg)
ヨハネス・フェルメール
「真珠の耳飾りの少女」
マウリッツハイツ美術館所蔵(オランダ ハーグ)
目に入れられたハイライト
作者のフェルメールは、「光の魔術師」と呼ばれ、光の描写に優れた画家という評価をされています。
この少女の目の光の反射は、意識的に本来の反射から少しずれたところに、ハイライトが入れられてます。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/eye.jpg)
少女の表情に不確定な印象を与え、見る人によって、印象が変わるように感じます。
どちらともとれる口元
次に口元ですが、ニコリともとれるし、悲しげともとれる描写です、また、何かを言いたそうにも見えます。
印象は見る人、見る時で変わるように表現されています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/mouth.jpg)
耳飾り
この作品の題名にもなっている真珠の耳飾りですが、光の反射が、目の光の反射と同様、不自然です。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/earing.jpg)
不確定的な少女の表情に対して、耳飾りに光を反射させ「不確定」と「確定」を対比、少女の表情を際立たせている印象を与えます。
ターバンと服装
ぼんやりした背景に、フェルメールブルーと言われるフェルメール作品の特徴でもある鮮やかな青色のターバンに、目を引き付けられます。
また、服装もヨーロッパ風ではない、東洋的なものとなっており、少女に不思議なイメージを与えています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/cloth.jpg)
背景にはエメラルド色のカーテン
2020年の科学調査で
- 背景にはエメラルド色のカーテンが描かれていたが、時間経過とともに色褪せてしまったこと。
- 肉眼では見えない小さなまつ毛が目の周りに、描かれていること。
- 真珠の耳飾りの輪郭は描かれておらず、フックも無い。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2023/05/image-23.png)
が発見され、公表されました。背景のカーテンが残っていれば、かなり印象が変わっていました。
所蔵:マウリッツハイス美術館(オランダ,ハーグ)
所蔵先の美術館はオランダ、ハーグにあるマウリッツハイス王立美術館です。
電車でスキポール空港からだと約30分、アムステルダムからだと約50分です。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/Mauritshuis-Den-Haag-Netherlands.jpg)
フェルメールの作品が他に2点、所蔵されています。
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/Vermeer-view-of-delft.jpg)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2021/06/Vermeer_-_Diana_and_Her_Companions.jpg)
![](https://www17.a8.net/0.gif?a8mat=3ZB81O+5X57CI+54O2+62U35)
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