ポール・ゴーギャンとともにクロワゾニスム(総合主義)を確立させた画家エミール・ベルナールの作品です。
本作品は、ちょうどゴーギャンとクロワゾニスムの創始者をめぐり対立し、ゴーギャンがブルターニュを去った後に制作された作品です。
遠近感をなくし、目を引く原色による配色などクロワゾニスムが完成したとする作品でクロワゾニスムを代表する作品とも言われています。
また、ベルナールは点描による作品制作もしていた時期があり、本作品にもその影響があるとされています。
ベルナールは、ゴーギャンの他にロートレックやゴッホとも交流をもっていました。
「エミール・ベルナールの肖像」(ロートレック作)
(1886年)
作品 日傘をさすブルターニュの女たち
遠近感を無くして民族衣装の女性たちの表情もなく単純化されており、原色による配色でクロワゾニスムの完成形とも言われます。
「日傘をさすブルターニュの女たち」
(1892年)
女性たちがブルターニュの伝統的お祭り(パルドン祭)の準備をしている様子を描いたようですが、女性達はお互いに会話をすることなく佇んでいます。
奥に座っている赤い日傘の女性の描写は青一色で描かれ、木との前後関係も無視されています。
また、女性たちは皆、表情を判別できないように単純化された描写をされています。
背景はブルターニュの景色ですが、原色で描かれこちらも単純化されています。
本作品はクロワゾニスムの完成品として、クロワゾニスムの代表作とされていますが、作品の構成、色彩は新印象派のジョルジュ・スーラの影響を受けていると言われています。
点描作品の代表といえるスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」と日傘や座る人と立っている人の配置の構成や原色による配色に類似する面があります。
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