19世紀のパリの踊り子や娼婦を多く描いたトゥールーズ・ロートレックが描いたフィンセント・ファン・ゴッホの肖像画です。
ロートレックのキャリア初期の作品で、2人はお互いの作品を認め合い、ゴッホの勧めで画商を営む弟のテオがロートレックの作品を数点購入しています。
作品:フィンセント・ファン・ゴッホの肖像
ロートレックが23歳、ゴッホが34歳のときの作品です。
ゴッホは32歳から34歳までパリに住み、その後、南仏アルルへと向かうのですが、南仏へ行くことを進めたのがロートレックと言われています。
2人は浮世絵をはじめとした日本美術の愛好家でもあった為、ゴッホがパリにきてすぐに交流を持つようになったようです。
「フィンセント・ファン・ゴッホの肖像」
(1888年)
暖色をメインに配色して筆跡を残した描写を行っています。
ゴッホを作品中心に配置、体も対角線上に描くなど画面構成はとても安定感のある構成としています。
アブサン
ゴッホの前のグラスにはアブサンが入っています。
アブサンは、薬草系のリキュールで高いアルコール度数で安価だったため多くの中毒者が発生したことにより、ドイツやアメリカでは一時、製造禁止となったお酒です。
ロートレックとゴッホは、アブサンを愛飲したためアルコール中毒となっていたようで、特にロートレックは36歳で亡くなってしまいますが、その原因の一つとなってしまいました。
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