19世紀に活躍したフランス人画家で、東方世界の描写を得意としたジャン・レオン・ジェロームの作品「戯れ」です。
本作品は、オスマントルコ帝国の兵士がふざけて犬にタバコの煙を吹き替えている様子を描いていますが、部屋の壁の模様や水差し等の描写が細かく描かれており、作者の技術が最も高かった時期の作品と言われています。
作品 戯れ
本作品ではオスマン帝国の外国人傭兵(アルバニア人傭兵)が犬にタバコの煙を吹きかけていますが、兵士の犬への愛情のこもったいたずらとして描かれています。
「戯れ」
(1882年)
犬はのけぞっているように見えますが、主人を見つめており信頼関係が伺えます。
当時、犬好きのジェロームは自身の作品に飼い犬を描いており、本作品の犬もジェロームの飼い犬で、兵士の衣装もジェロームが所有していた衣装と言われています。
衣装のヒダがかなり詳細に描写しています。
部屋やお小物の描写
本作品はジェロームの技術の最高期に描かれた作品として考えられ、登場人物以外の描写も非常に細かく描かれてります。
部屋の壁やソファの模様はイスラム美術のアラベスクという幾何学模様と考えられ、とても詳しく描かれています。
水差しなどの描写も控えめだが詳しく描かれ鑑賞者が作品の中に居るようなイメージを受けます。
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