19世紀のイギリス人画家でラファエル前派の代表的画家ジョン・エヴァレット・ミレーの作品「盲目の少女」です。
作品の中央に盲目の少女とその妹と思われる少女が描かれています。
また、背景には雨が上がり明るくなった牧草地とまだ雨雲がのこる空に、二本の虹が描かれています。
背景は、ミレイが住んでいたスコットランドや実際に取材した南イングランドの風景をもとに描いています。
障害のある人物を明るい陽の下で穏やかに描いた本作品は、当時でもまだ珍しい作品でした。
作品 盲目の少女
雨上がりの優しい陽のもと盲目の少女とその妹が描かれており、少女の表情はとても穏やかです。
「盲目の少女」
(1856年)
妹は姉のショールに顔を隠しながら空を見上げています。
膝の上にアコーディオンを置いていることから、姉妹はアコーディオンを弾いてお金を得て生活しているようです。
来ている服も穴があるなど着古しており、苦しい生活をしているように見えます。
盲目の少女は牧草を強く握り、不安な心を落ち着かせ、もう一方の手では妹の手を握り締めて妹を安心させているようです。
雨上がりのまだ暗い空に虹が二本出ており厳しい現状の中で二人に明るい未来が待っているような印象を鑑賞者に抱かせています。
作品は、対角線上に姉妹の顔と妹の体を配置しバランスがとられています。
また、少女は、ミレイの家の近所に住んでいた子をモデルに描いており、他の作品「秋の落ち葉」でもモデルを務めています。
「秋の落ち葉」
(1855‐1856年)
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