ティントレット 「最後の晩餐」

絵画

ルネサンス期のあと、人体を引き伸ばしたような描写や明暗対比、極端な短縮法などで作品が制作されたマニエリスム期の画家ティントレットの晩年の作品「最後の晩餐」です。

ティントレットの本名はヤコポ・ロブスティという名ですが、実家が染物屋だったため「染物屋の息子」という意味のティントレットと呼ばれました。

一時期、ルネサンス期のヴェネチア派の巨匠ティツィアーノの門下となりましたが長くは続かなかったようです。

しかし、ティツィアーノの色彩などは影響を受けていると見られてます。

最後の晩餐」はいろいろなが画家が題材として描き、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品が最も有名ですが、本作品は全くちがった構成となっています。

作品 最後の晩餐

レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」からおよそ100年後に描かれた同じ題材の作品となります。

ティントレットは、本題材を描く際に多くの画家が食卓と人物が画面に平行に描いたのに対して、食卓を斜めに配置しています。

最後の晩餐
1592-1594年

1592-1594年
ティントレット
「最後の晩餐」
サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂(イタリア ヴェネチア)

画面中央には、イエス・キリストがユダの裏切りを指摘している場面が描かれておりイエス・キリストの光輪によって、鑑賞者の視線が最初に向かうようになっています。

また、本作品ではイエス・キリストや使徒たちよりも食べ物を配膳したり下げたりしている人々の方で画面を占められており、描写も使徒たちよりも動きのあるものとなっています。

本作品の特徴の一つが、食卓が斜めに配置されているところですが、本作品は聖堂の入り口から祭壇にむかって右側の上の壁に設置されることにより、訪問者が祭壇に向かって入ってきた際に本作品を見ると祭壇と食卓が一体となったように見えるような効果を期待したもののようです。

ティントレットの「最後の晩餐」は、明暗対比が強調されており、マニエリスム後に広まるバッロク絵画の特徴となる明暗対比の先駆け的な作品とも考えられています。

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