新古典主義の画家、ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルが82歳のときに描いた作品です。
画家自身により、長方形だった作品が円形に変更されました。
アングルの代表作「グランド・オダリスク」同様に人体の現実的表現よりも美しさの表現を優先していると言えます。
中央の背を向けている女性
「トルコ風呂」
(1862年)
中央でこちらに背を向けて楽器を演奏している女性は、アングルが1808年制作した「ヴァルパンソンの浴女」の女性と同じ人物像です。
「ヴァルパンソンの浴女」
(1808年)
アングルは、この女性像を「トルコ風呂」を描く前にも「小さな浴女」という作品でも登場させています。
ヴァルパンソンというのは、所有者の名前で、しばらくは個人所有となっていましたが1879年以降、ルーヴル美術館が所蔵しています。
「小さな浴女」
(1826年)
アングルの描く裸婦
「グランド・オダリスク」
(1814年)
アングルの代表作、「グランド・オダリスク」の女性と同様、白い肌に皺ひとつ描かれていません。
また、ソファーに横たわる女性などは、実際の人体の動きでは難しい姿勢となっています。
この作品の注文主はナポレオン3世の甥でしたが、彼の妻が作品を不快に思い、直ぐに返却されてしまったようです。
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