フィンセント・ファン・ゴッホ 「刑務所の中庭」

絵画

フィンセント・ファン・ゴッホが精神を病んで、フランス南部のサン=レミで療養生活をしている際に描いた作品で、フランスの版画家ギュスターヴ・ドレの作品に基づいて描かれています。

ギュスターヴ・ドレの「ニューゲート監獄 運動場」という版画作品にほぼ忠実に描いていますが彩色はゴッホのオリジナルで、ゴッホの彩色の特徴がでている作品とされています。

また、当時のゴッホの不安定な精神状態を表現した作品とも言われ、ゴッホ自身が精神状況に悩まされながらも将来への希望を渇望している様子を描いた作品と言われています。

作品 刑務所の中庭

ゴッホが精神に異常をきたし、ポール・ゴーギャンとの短い共同生活を終えた後、共同生活の地アルルから20kmほど離れたサン=レミに移動して療養生活をしたいた時期の作品です。

ゴッホは他の画家の作品の模写を複数制作していますが、本作品は版画家ギュスターヴ・ドレの作品「ニューゲート監獄 運動場」に基づいて描いています。

刑務所の中庭
1890年

1890年
フィンセント・ファン・ゴッホ
「刑務所の中庭」
プーシキン美術館蔵(ロシア モスクワ)

ニューゲート監獄 運動場」(ギュスターヴ・ドレ

ギュスターヴ・ドレ
「ニューゲート監獄 運動場」

ギュスターヴ・ドレの版画作品を基に当時のゴッホの精神状況を投影して独自の色彩で描いています。

帽子を被った囚人たちが運動場を整列して歩行運動している様子が描かれていますが、一人だけ帽子を被っていない囚人がいます。

金髪で短髪の男は、少し視線を鑑賞者に向けているように描かれており、この状況からはやく逃れたいといった印象を受けます。

この男性でゴッホは自身の状況や気持ちを表現しようとしているとの説もあります。

監獄の運動場は高い壁に囲まれており、囚人たちが歩行運動している場所は暗く描かれていますが、ゴッホの特色でもある青色をベースに暗さを表現しています。

壁の上は、黄色ベースで明るく光があたっているように描かれ、ゴッホの他の作品でも用いられている黄色と青色の補色効果が与えられています。

また、壁の上部を明るく彩色することで自由や将来への希望を表現しているとも言われています。

ギュスターヴ・ドレの版画にも監獄の囚人たちの頭上に二匹の蝶が配置されていますが、ゴッホも同様に描いており、ゴッホにとってもこの二匹の蝶は将来への希望の象徴のような描写だったのかもしれません。

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