ヨハネス・フェルメール 「ヴァージナルの前に座る女」

ヨハネス・フェルメール

ヨハネス・フェルメールの最晩年の作品で、最後の作品とも考えられています。

また、現在ではフェルメールの真作との説が一般的ですが、偽物ではないかとの説も一部残っています。

最盛期の作品と比べると、スカートのひだの描写や質感の描写がフェルメール作品に劣るとの評価のため、偽物ではないかとの説が残っているようです。

この作品は、フェルメールの作品「ヴァージナルの前に座る女」と対の作品と考えられています。

作品 ヴァージナルの前に座る女

この作品では、フェルメール作品の特徴である窓と窓から差し込むような自然光の描写はありません。

ヴァージナルの前に座る女
1670-1672年頃

1670-1672年頃
ヨハネス・フェルメール
「ヴァージナルの前に座る女」
ナショナル・ギャラリー(イギリス ロンドン)

明暗の描写から窓自体はタペストリーの後ろにある想定とも考えられます。

ヴァージナルは大理石でできているのが伺え、女性の衣服、首にある真珠のネックレスからも高貴で裕福な人物であることがわかります。

ヴァージナルとは、17世紀にオランダで作られていた楽器です。

画中画「取り持ちの女」

本作品には画中画としてディルク・ファン・バビューレンの「取り持ちの女」が描かれています。

取り持ちの女
1622年頃

1622年頃
ディルク・ファン・バビューレン
「取り持ちの女」
ボストン美術館蔵(アメリカ ボストン)

取り持ちの女」は裕福であったフェルメールの義母が所有しており、本作品の画中画はそのオリジナルもしくは模写が描かれています。

この画中画から、本作品は義母の家の2階で描かれたとの考えもあります。

取り持ちの女」はフェルメールの他の作品「合奏」にも描かれています。

合奏
1664年

1664年
ヨハネス・フェルメール
「合奏」

バビューレンの「取り持ちの女」は売春を題材にした作品で、フェルメールの「ヴァージナルの前に座る女」「合奏」内に描かれた理由は定かではありませんが、音楽と性愛との関係性を表現しようとしたと言われています。

対の作品「ヴァージナルの前に立つ女」では画中画で「真実の愛はただ一人を愛することにある」との寓意のキューピットを描いており、対比されているのかもしれません。

ヴァージナルの前に立つ女
1670-1672年

1670-1672年
ヨハネス・フェルメール
「ヴァージナルの前に立つ女」
ナショナル・ギャラリー
(イギリス ロンドン)

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