ヨハネス・フェルメールの作品は度々、盗難の被害にあっていますが、盗難されたまま発見されていない作品があります。
「合奏」は1990年に盗難にあい、未だ発見されていないフェルメール作品です。
盗難事件
1990年3月18日未明、ボストン市警を装った二人組が美術館に押し入り、フェルメールの「合奏」のほか12点の美術品を奪い去る事件が発生しました。
盗難された13点の美術品は現在も行方不明のままです。
盗難されたのは、フェルメールの「合奏」のほか、レンブラントの作品3点、ドガのドローイング5点、マネの作品1点など、金額にすると5億ドル相当と言われています。
そのなかでもフェルメールの「合奏」は2億ドルの価値があるとされています。
盗難にあったイザベラ・スチュワート・ガードナー美術館は、現在、盗難された作品の場所に空の額を掛けて返還を願っています。
「ガラリアの海の嵐」
(1633年)
盗難されたレンブラント唯一の海洋絵画で貴重な作品
イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館
合奏と対の作品「音楽の稽古」
「合奏」は、サイズがほぼ同じで、主題も類似している「音楽の稽古」と対の作品とされています。
「音楽の稽古」
(1662-1665年)
「合奏」
(1664年頃)
画中画
作品中の背後の壁の右側に掛かっている絵は、フェルメールの義理の母親が所有していたディルク・ファン・バビューレンの「取り持ち女」です。
「取り持ち女」
(1622年)
フェルメールは本作品「合奏」のほかに「ヴァージナルの前に座る女」にもばバビューレンの「取り持ち女」を登場させています。
「ヴァージナルの前に座る女」
(1670-1672年)
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