ルネサンスの3大巨匠の一人、ラファエロ・サンティの作品です。
ラファエロがフィレンツェに滞在していた時期に描かれ、ルネサンス3大巨匠の他の2人、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの技術や作風を自身の技術とうまく融合させた作品です。
ラファエロは貪欲に年上のレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの技術を取り込み、融合させ自身のものとして完成させました。
聖カタリナとは
4世紀にエジプトのアレクサンドリアに生まれ、夢のなかでイエス・キリストと結婚したキリスト教の聖人です。
カタリナはローマ皇帝にキリスト教徒への迫害は間違っていると説きます。
ローマ皇帝は、50人の学者を招聘しカタリナと論争させますが、聖カタリナはことごとぐ学者たちを説得、キリスト教へと改宗させます。
最初に改宗させたのは皇后でした。
怒った皇帝はカタリナを鋭い棘の付いた車輪に縛り付け拷問して殺すよう命じますが、カタリナがその車輪に触れると雷が落ち車輪が破壊されたため、刑を執行できなかったという話です。
作品:アレクサンドリアの聖カタリナ
「アレクサンドリアの聖カタリナ」
(1507年頃)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/04/800px-Raffael_020-786x1024.jpg)
ラファエロ・サンティ
「アレクサンドリアの聖カタリナ」
ナショナル・ギャラリー(イギリス ロンドン
ラファエロは、聖カタリナを車輪によりかかり、空を見上げるしなやかなポーズで描いています。
車輪は、聖カタリナが受けた拷問のアトリビュートですが、この作品では、拷問の苦しさは描かれていません。
雲の切れ間から現れる天国の光を見つめ、美しい曲線で描かれる彼女はとても平和的に見えます。
レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの影響
ラファエロが描いた、聖カタリナのポーズは、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロの作品から影響されていると言われています。
レオナルド・ダ・ヴィンチの「レダと白鳥」をラファエロが模写したドローイング
(レオナルドのオリジナル作品は現存してません)
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/04/Raffaello_studio_della_leda_e_il_cigno_di_leonardo-630x1024.jpg)
レオナルド・ダ・ヴィンチの「レダと白鳥」
をラファエルが模写したドローイング
ロイヤルコレクション蔵
(イギリス ロンドン)
ミケランジェロの未完の彫刻「聖マタイ」をラファエロが模写したもの
![](https://www.tabitobijutsukan.com/wp-content/uploads/2022/04/800px-Raffaello_studio_del_san_matteo_di_michelangelo-760x1024.jpg)
ミケランジェロの未完の彫刻「聖マタイ」を
ラファエロが模写したも
大英博物館蔵(イギリス ロンドン)
ラファエロは、年上の二人の巨匠の芸術を見事に融合させて自身のものとして昇華させたと言われています。
![](https://www19.a8.net/0.gif?a8mat=3ZB81O+5X57CI+54O2+62U35)
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