ルノワール ヴァルジュモンの子供たちの午後

絵画

印象派の代表画家ピエール=オーギュスト・ルノワールですが、印象派主義的な表現に限界を感じ、様々な表現方法を模索していた時代の作品です。

本作品はルノワールのパトロンで銀行家ポール・ベラール氏3人の娘を描いた作品で、ルノワールは彼の家族をモデルに複数の作品を制作しています。

ヴァルジュモンとは、ポール・ベラール氏が別荘を所有していたフランスのノルマンディー地方のイギリスとの海峡付近の地名です。

作品:ヴァルジュモンの子供たちの午後

ヴァルジュモンの子供たちの午後
1884年

1884年
ピエール=オーギュスト・ルノワール
「ヴァルジュモンの子供たちの午後」
ベルリン国立絵画館(ドイツ ベルリン)

裕福な銀行家でルノワールのパトロンであったポール・ベラール氏の3人の娘がノルマンディー地方のヴァルジュモンにある別荘に滞在している様子を描いた作品。

ルノワールは、本作品で色彩の計画的配置とその対比の表現に取り組んでおり、左半分を寒色、右半分を暖色で描いています。

3人の娘

長女は椅子に腰かけて編み物をしており、赤く細かな模様がはいった白色の服を着ています。

三女が持っている人形の服を編んでいることを想起させられます。

長女のみ暖色系で描かれており、窓の外の光の様子など年長の女性でもありあたたかな印象で描かれています。

次女は、長女とは反対の左はじのソファーに座り読書をしています。

長女との対比のように寒色で囲まれており、本も寒色で描かれています。

また、読書に集中する表情もかたく冷たいイメージを受けます。

長女と次女の間に描かれている三女の人形は暖色で描かれ、顔をこちらに向け、寒色と暖色の境いを強調しているようにも受けます。

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