レオナルド・ダ・ヴィンチ 「東方三博士の礼拝」

絵画

イタリアのルネサンス盛期の巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチの未完の作品「東方三博士の礼拝」です。

レオナルド・ダ・ヴィンチはフィレンツェにある修道院から1481年に作品を30ヵ月以内で完成させることを条件とした注文を受け、本作品の制作をはじめています。

当初は、作品制作に没頭していたようですが、注文を受けた翌年、レオナルドはフィレンツェをはなれミラノへ出発してしまったため未完となっています。

本作品の注文依頼と同時期にミラノ公国へ自身を売り込む手紙を送っていたようです。

本作品は、2011年から2016年にかけて修復作業が行われ、作品本来の姿を取り戻しています。

作品 東方三博士の礼拝

作品の題材となっているイエス・キリストが誕生した時に、東方から三人の賢者が、イエス・キリストの所に誕生の祝いと祈りをしに訪れる東方三博士の話は、宗教画でよく題材とされ多くの画家が作品としています。

レオナルド・ダ・ヴィンチは聖母とイエス・キリストを前面の中心に描き、それを取り囲むように三博士、さらに他の人々、異教徒の建物や戦闘場面を画面に円が広がるように描いています。

東方三博士の礼拝
1481年

1481年
レオナルド・ダ・ヴィンチ
「東方三博士の礼拝」
ウフィツィ美術館蔵(イタリア フィレンツェ)

また、レオナルドが確立したとも言われる人物を三角形にも配置描写も、聖母子と東方三博士で行っています。

聖母子の隣に描かれている木はヤシの木で、聖母マリアを象徴していると考えられます。

背景には、左に異教徒の建物と想像される描写と右に戦闘場面の描写がされており、誕生したイエス・キリストにより異教徒世界がキリスト教世界に置き換わっていくことを表現していると言われています。

レオナルドが本作品の準備のために描いたと考えられる素描も確認されています。

「東方三博士の礼拝」の準備としての素描
(1481年頃)

ウフィツィ美術館蔵
ウフィツィ美術館蔵

2011年から5年間ほどの修復を得て、本作品は明るい色を取り戻していますが、修復前はすすの汚れやニスの変色により暗い色彩の作品でした。

「東方三博士の礼拝」2011年~2015年の修復前

最終的に、作品は未完となってしまい注文主の修道院はレオナルド・ダ・ヴィンチの友人で、フィリッポ・リッピの息子フィリッピーノ・リッピに再注文し、納品されています。

東方三博士に礼拝」(フィリッピーノ・リッピ
1496年

1496年
フィリッピーノ・リッピ
「東方三博士の礼拝」
ウフィツィ美術館蔵(イタリア フィレンツェ)

聖母子の中心に、東方三博士から他の人々、背景に異教徒の建物や騎馬が描かれており、レオナルド・ダ・ヴィンチの設定した構成に従って描いています。

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