印象派の代表的画家クロード・モネのキャリア初期の作品で、師匠のブーダンや友人の画家バジールなどともにノルマンディー地方に滞在してい際に描いた作品です。
まだ、印象派と呼ばれる前のモネの作品で風景画のコローの影響が見られる作品と言われています。
しかし、木漏れ日の表現や木々の描写には、その後、印象派の特徴といわれる筆触分割による表現が見られるなど、その後の印象派へと発展する描写が見られる作品です。
本作品は東京の国立西洋美術館に所蔵されています。
作品 並木道(サン=シメオン農場の道)
モネは1864年、友人バジールとともにノルマンディー地方の港町のオンフールやルーアンなどを訪れ、しばらく拠点として活動しました。
また、オンフールは師匠のブーダンの出身地でもあり、ブーダンもともに訪れたりしていたようです。
本作品では、控えめの色彩での配色などバルビゾン派のコローの影響が見られると言われています。
「並木道(サン=シメオン農場の道)」
(1864年)
また、縦に長い本作品は風景画としはとても珍しい作品とされています。
本作品は、モネの初期の作品ですが、木漏れ日や木々の葉の描写に後に印象派の特徴とされる筆触分割が見られます。
少し粗い筆跡を残して、木漏れ日を表現しています。
木々の葉から漏れる光の表現は筆触分割で描かれ後の、モネの特徴的な画風へ発展することが想像できます。
本作品は、一緒にノルマンディー地方を訪れた友人バジールの作品「フュルスタンベール通りのアトリエ」に描かれているため、仕上げはバジールと共同で使用していたアトリエで行ったと思われます。
「フュルスタンベール通りのアトリエ」(フレデリック・バジール)
(1866年)
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